川俣菜の味噌汁【日々の食卓に】
最初に食べた川俣菜の味噌汁が、とっても美味しくて。
「川俣菜は何が一番美味しいの?」と聞かれたら、「味噌汁!」と答えていたほど。
川俣菜と味噌の相性は抜群なうえ、油揚げの旨味を葉が吸い、あとを引く美味しさ。
これもぜひ最初に食べて欲しい一品です。
◆材料(4人分)
・川俣菜 2束分
・豆腐 1丁
・油揚げ 2枚
・水 4カップ
◆調味料
・粉末だし 小さじ1
・味噌 大さじ2・1/2
◆作り方
1.川俣菜は良く洗い、茎と葉の部分を切り分け、茎は3分ほど。葉は1分ほど下茹でし、5cm程度に切りそろえる。
2.油揚げは熱湯で油抜きし、1cmの短冊切りに。豆腐は2cm角に切りそろえる。
3.鍋に水を入れ、①の川俣菜と②を入れ、沸騰したら粉末だしを入れ、全体に火が通ったら、味噌を入れて完成。
このレシピ通りじゃなくても、ご自宅でいつも食べてる味噌汁に、入れてみてください♪
できれば、油ものを一緒に入れると美味しいですよ♪
レシピPDFダウンロードはこちら ↓
http://kawamatana.yukihotaru.com/pdf/07_misoshiru.pdf
簡単おひたし【シンプルで美味しい】
間引いた苗は柔らかくクセがないので、軽く茹でておひたしに。
大体30cmまでの、柔らかい川俣菜で作るのが最適です。
1ヶ月ほどで食べごろになる川俣菜は、そのまま放置すると1mにもなります。
大きく成長しすぎた株は、独特の辛味があるので、苦手な方は炒めものなどにすると良いでしょう。
◆材料(4人分)
・川俣菜 2~3束程度
※茎と葉の分量はお好みで
・鰹節(飾り用) 1パック
◆調味料
・醤油(お好みでめんつゆなどでも) 大さじ1(塩分調整のこと)
◆作り方
1. 採れたての川俣菜は、大きい場合は茎と葉に切り分ける。茎は3~5分ほど。葉は2分ほど茹でて水にさらし、よく水気を切っておく。
(間引いた小さい株は茎と葉に分けず、そのまま茹でてもOK)
葉の部分は軽く1~2分分ほど茹でます。
大きく成長すると茎の部分が2cm以上にもなり、やや固くなります。
茎の太さに合わせて茹でます。目安は3~5分程度です。
2.5cm幅に切りそろえ、鰹節を散らし、お好みで醤油をかける。
※1の下処理をしておけば、「青菜」としていろいろな料理に使えます。
川俣菜の美味しさが一番味わえる、シンプルなレシピです。
ちなみに胡麻和えも美味しいです♪
レシピPDFダウンロードはこちら ↓
http://kawamatana.yukihotaru.com/pdf/01_ohitashi.pdf
川俣菜とは
標高1000メートルを超す高冷地川俣地区で作られている在来野菜「川俣菜」。
地元では主に、手前菜・かぶ菜と呼ばれている『アブラナ科の野菜』です。
現在では川俣地区を中心に細々と栽培されている程度ですが、冬が厳しい栗山地域では、生野菜が絶えてしまう冬から春先にかけての保存食として昔から食べられていました。川俣地区では自ら種を取って育てられること※1から、特に重宝されていました。
※1:川俣地区では野菜の種を今市まで買いに行かなくてはならず、自分の畑で種が取れる(手前で種が取れる菜なので、手前菜とも呼ばれる)川俣菜は大変重宝されていたようである。
川俣菜はその保存方法に特徴があり、秋に収穫した菜を自然乾燥し、干葉(ひば)として冬季保存します。
干葉は事前に鍋で煮戻して冷凍しておき、味噌汁に入れたり、お焼きの具にしたり、塩漬けにしても食べられてます。
ほろ苦くやや癖のある味が、鹿や熊などのジビエ肉にとても合うので、川俣の猟師には欠かせません。またお産を終えたばかりの妊婦に、鹿肉の入った干葉汁を一週間食べさせると、弱った体が温まり、体力が回復すると伝えられています。
今では川俣地区や川俣温泉地区で、家庭の自家消費用で作られているのみでしたが、その育てやすさや美味しさに注目が集まり、現在、栗山地域内での栽培拡大や普及活動に力を入れています。
栗山地域で普段から愛され、長く食されるよう・・・
美味しいレシピも開発中ですので、ぜひご覧ください。
【川俣菜レシピ】
【川俣菜を購入したら・・・】
川俣菜の歴史
大正時代には川俣で栽培されていたことはわかっていますが、どこから伝来したかなど、詳しいことはわかっていません。
地元には、下の3つの説が語り継がれています。
1.平家落人説 (鎌倉時代)
壇ノ浦の戦いで敗れた平家の落人がこの川俣に逃げ延びたと言われており、その際京都から持ち込まれたという説。
2.川俣温泉説 (江戸中期から)
江戸中期に本格開業した川俣温泉に、湯治客が持ち込んだのではないかという説。
3.西沢金山説 (明治30年以降)
西沢金山(川俣地区の奥山地にある鉱山)の鉱山関係者が、冬場の貴重な野菜として持ち込んだのではないかという説。
いろいろな説がありますが、高冷地川俣の気候風土に合った野菜(在来野菜)として、大切に育てられてきました。
川俣菜の茹で方
食べ頃は40cmぐらいですが、成長すると60cm以上にもなります。
大きくなりすぎた場合、茎の部分が少し硬くなっているため、長めに茹でましょう。
大きい川俣菜は一度に茹でることが難しいので、茎と葉の部分にわけ、別々に茹でるのが良いです。
葉と茎の部分に分けます。根の部分にカブがついていた場合は、切り取ります。
※カブは地元の方は、茹でて蕎麦粉と一緒に混ぜて「そばがき」にして食べたとか、焼いて食べたとのお話。私は千切りにしてごま油で炒めて、キンピラにしてみましたが、味が濃い大根といった感じで美味しかったです。
葉の部分は1分~2分程度茹でて、水にさらし、よく水気を絞ります。
茎の部分は成長度合いにもよりますが、3~4分ほど茹でます。
水にとり、なるべく水分を絞ります。
お好きなレシピどおりに切り、ご使用ください。
なお茎の部分の水分はなかなか絞りにくいため、タオルペーパーで水分を取るか、軽く塩で揉み半日置き、再度絞ると良いです。
茹でてしまえば、冷凍も可能です。
水分をなるべく絞って取り除き、ラップやジップロックで密封して冷凍します。
普通の青菜感覚で使ってください!
ドレッシングにも合うのでサラダにトッピングしたり、味噌汁やけんちん汁などに入れたり、炒めものに入れたりと、いろいろ使える万能野菜です。
もし迷ったら、こちらのレシピをご覧ください。
↓
川俣菜ちゃんぷる~
◆材料
・川俣菜(茹でたもの) 200g
・人参 1本
・もやし 1袋
・木綿豆腐 1丁(300g)
・豚肉のバラ肉 200g
・にんじん 1本
◆調味料
・粉末ダシ 小さじ1~1.5
・酒 大さじ1
・醤油 小さじ1
・かつお節 1パック
・油 塩(塩味調整) 適宜
◆作り方
1.川俣菜は5cmのざく切りに。人参は千切りに切りそろえておく。
2.フライパンに油をひき、木綿豆腐を軽く焦げ目が付くまで炒め、醤油で味を含ませて取り出す。
3.再度フライパンに油をひき、豚肉に火を通したら、川俣菜と人参、もやし、①の豆腐を入れ、酒、粉末ダシで味を整える。
4.皿に盛り付けたら、上からかつお節を振りかける。
粉末ダシを煮干しの粉末等に代えると、塩分控えめになります。
レシピの印刷用PDFダウンロードはこちら ↓
http://kawamatana.yukihotaru.com/pdf/11_chanpuru.pdf
川俣菜と夏野菜のトマトソースパスタ
川俣菜の収穫と一緒に採れる夏野菜で、トマトソースパスタを作りました。
生のトマトで作っても美味しいです。
◆材料(2人分)
・川俣菜(茹でたもの) 200g
・茄子 2個
・ベーコン 50g
・トマト缶 1缶
・ニンニク 1片
・パスタ 160g(2人分)
◆調味料
・オリーブオイル 大さじ1
・ローレル(月桂樹) 1枚
・塩・こしょう 適宜
◆作り方
1.パスタは指示通りの時間で茹でる。
2.川俣菜は5cmのざく切りに。茄子は半分に切り5mmの厚さに切る。ニンニクは包丁の背で潰しておく。
3.フライパンに油とニンニクを入れ弱火で香りを出す。焦げる前にニンニクを取り出し、ベーコンと茄子を入れ炒める。
4.茄子がしんなりしたらトマト缶を入れ、ローレルを入れトロミが出るまで煮込む。最後に川俣菜を入れて色が変わらない程度に軽く煮込む。
5.1のパスタと4のソースを絡めて、完成。
レシピPDFダウンロードはこちら ↓
川俣菜とツナのパスタ
暑い日にさっぱり食べたくて。
20cmほどに成長し、間引いた株を茹でて食べました。
肉だけでなく、ツナも合います。
◆材料
・細めのパスタ 200g
・川俣菜(茹でたもの) 200g
・シーチキン(缶詰) 1缶
・ミョウガ、しそ あれば少々(千切りに)
◆調味料
・めんつゆ 大さじ2~3
・レモン汁 大さじ2
・エキストラヴァージンオリーブオイル 大さじ2
※シーチキンがオイル漬けの場合は量を少な目に
・塩・コショウ 適量
◆作り方
1.パスタは時間通りに茹であげ、冷水で洗い、冷やしておく。
2.茹でた川俣菜を細かく刻み、シーチキンとめんつゆで合える。
3.パスタの上に2を乗せ、上からオリーブオイルを回しかける。
4.薬味のミョウガとシソを乗せ、塩コショウで味を整える。
茎がまだ太くならない、間引いた株などで作るのがベスト。
パスタではなく、そうめんなどでも美味しく食べられます。
レシピPDFダウンロードはこちら ↓
http://kawamatana.yukihotaru.com/pdf/18_tunapasta.pdf
干葉の食べ方(戻し方)
干した川俣菜は、長期保存が可能になるだけでなく、野菜の旨味がぎゅっと増えるので、より美味しく食べられます。
川俣地区でよく食べられる干葉汁では、干葉があれば出汁がいらないと言われているほど。
また、干すことで栄養価もUPするので、栄養学的にも優秀な食材です。
その干葉の食べ方ですが、まずボウルに干した干葉を入れ、そこに熱湯を注ぎ込みます。
インスタントラーメンを湯で戻す感じですね。
30分ほど放置しておくと、柔らかくなってきます。固い場合は再度、熱湯を入れるか、鍋で茹で戻すと良いです。
包丁が入るほどに柔らかくなればOKです。
水で良く洗いましょう。根本などに泥がついていることがありますので、根本を切ってよく洗いましょう。
使う用途に合わせて切って、料理に使います。
川俣地区の方は、戻した干葉の水気を良く切り、1回分づつ冷凍庫に保存しておき、すぐに使えるようにしています。(昔からそうしているそうです)
戻した干葉はまだ少し固いので、汁物にする場合は早めに入れて、10分ほど煮込むと味もしみて美味しくなるそうです。
餃子などに混ぜ込む際は、湯で戻して、完全に柔らかくしてから、みじん切りにすると良いです。
私もまだ川俣菜に携わって2年ほどなので、これから干葉の調理法についても
試行錯誤していきたいと思います。
干葉のレシピも少しづつ更新していきますので、ご期待ください。
川俣菜入り茄子味噌炒め【味噌と油が合う】
茄子味噌炒めに川俣菜を入れたら、とっても美味しかったので、レシピ化しました。
川俣菜には味噌も合います♪
◆材料
・川俣菜(茹でたもの) 200g
非加熱の収穫したてを炒めても良いのですが、火の通りが悪いので、一度軽く茹でてから使う方が良いです。干葉を使う場合は、事前に熱湯で茹でて柔らかくしておきます。
・豚肉(細切れ) 200g
・茄子 5~6個
・人参 1本
・生姜 1片
◆調味料
・味噌 大さじ1(調整すること)
・酒 大さじ3
・砂糖 小さじ1
・塩・コショウ 適量
・サラダ油 大さじ1(炒め用)
◆作り方
1.川俣菜は5cm幅に切りそろえておく。
2.茄子は半分に切り、8mm程度の厚さに切り揃える。人参は短冊切りに。生姜は細かく切り刻む。
3.フライパンに油を入れ、生姜を入れて軽く香りを出す。豚肉を入れ火を通した後、人参、茄子を入れしんなりするまで炒める。
4.右側の調味料(味噌・酒・砂糖)は事前に混ぜておく。3の野菜に火が通ったら、川俣菜を入れさっと炒める。最後に調味料を回し入れ、全体に味がなじんだら完成。
最後に川俣菜を入れ、軽く炒め煮るのがポイント。
そうすることで、鮮やかな葉の緑とシャキシャキとした歯ごたえが楽しめます。
相性のよい味噌が川俣菜によく絡み、旨味が増します。
豚の脂身が美味しい♪と感じた一品です。
レシピPDFダウンロードはこちら ↓
http://kawamatana.yukihotaru.com/pdf/15_misoitame.pdf